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LoCo  

プーリアの歴史に彩りを与える想像を超えたペンキアートワイン

イタリア プーリア州 チステルニーノ

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プーリア州バーリとプリンディシの間にあるヴァッレ・ディトリアに畑を所有する”Loco ロコ”はバーリ出身のヴィットリオ・プリエーゼが2020年に開始した超小規模のワイナリー。とにかく目を引く独特のデザインされたワインボトル。一番最初にこのワインの存在を知った時、そのえもいわれぬ「ミステリアス」ないで立ちに一気に引き込まれていきました。味わい、生産者の顔、もちろん価格帯など、全貌を掴めないままでしたがどうにか連絡先を調べてアポを取りバーリへと飛びました。

ペンキアートのようなラベルのデザインは、ワインのイメージとリンクするそれぞれのカラーが1本1本手で塗装されています。実際に彼のワインを飲むとその配色とワインの香りや味わいの整合性に驚かされます。例えば”ヴェルデ”は深い森を連想させ、Cieloは青空の様に爽やかな開放感を感じさせてくれます。訪問して彼による彩り豊かなワインを飲み、ワイナリーデビュー間もない造り手らしからぬ表現力と美味しさに衝撃を受けました。

ほぼ情報が記載されていない彼のミステリアスなボトルのワインは想像を超える美味しさでした。軽快さ、葡萄らしいみずみずしさ、沁み込む優しさ、そしてプーリアらしい熟した甘い果実の香りと豊潤さがしっかりと土台として共存した十全たる味わい。思わず見事だと惚れ惚れするような完成度のLocoのワインを輸入しないという選択肢は我々にはありませんでした。

現在37歳の当主ヴィットリオは畑作業とワイン醸造を自ら行う醸造家です。2020年に僅か0.5ヘクタールの畑を購入。イトリア谷に面するチステルニーノと呼ばれるプーリアらしい白い建物が印象的な町からほど近い場所にある間借りできるガレージで、エリアでは希少な自然派ワイナリーとして一歩を踏み出しました。

ヴィットリオは大学でビジネス経済学を学び会社員をしていました。2015年頃にかねてから情熱の先であったワインと食の世界に入ることを決意します。バーリ市内のいくつかのレストランで皿洗いから始まり、厨房、ホールと飲食の世界での修行を積んでいきます。

その時にバーリ屈指のナチュラルワインへの情熱を持つレストラン”Est”エストと出会い、そこで働きながらまるで海賊のように豪快な彼らからナチュラルワインの手ほどきを受けました。海賊たちの影響でヴィットリオはナチュラルワインに夢中になりました。勉強をしてたくさんのワインテイスティングイベントに参加して様々な生産者のワインに触れました。その中でも彼のワイン造りに大きな影響を与えたのは、フランス・ジュラ地方のワインです。軽やかでありながらも特有のフィネスを併せ持つジュラのワインは彼の目指すべきワインを体現していました。他にもラングドック、オーベルニュ、スペインにアイデアを得ながら、So2を一切使用せず、葡萄だけでワインを造るというテーマを持って、プーリアのテロワールによるワイン造りを開始したのです。

ヴァッレ・ディトリアにあるLocoの所有する畑は標高350~420mに位置します。土壌は”石灰質”と鉄分やミネラルを多く含む”赤粘土質”が混ざった土壌。近年は異常なまでの猛暑にさらされるこの土地は、普通であれば濃厚で酸の少ないヘヴィーなワインが造られやすい場所です。Locoのワインはある意味土地の特性に逆らうようなワインスタイル。近年は夏場40℃を軽く超えることもあり、収穫のタイミングでは酸度を最も重要視し、発酵も抽出しすぎないよう意識して独自の醸造を行っています。栽培品種はヴェルデーカ、ミヌートロ、ボンビーノ・ネロ、ネロ・ディ・トロイアなどの土着品種です。

発酵容器は基本的にステンレスタンク、熟成容器はステンレスの他にアンフォラ、グラスファイバーなど様々な容器を用いています。木樽は一切使用しません。まだワイナリーができて3年目なので実験もかねて様々な熟成容器を使用して色々なブレンドなどを試行錯誤しています。

実験と言いつつもすでに非凡な醸造センスを発揮しているヴィットリオ。目指すワインはフランスに影響を受けていますが、醸造やワイナリー運営のことはイタリアの先輩生産者達の影響を受けています。生産本数が少なくセールス的な意味がなくとも、費用を捻出して積極的にナチュラルワインのサロンに参加します。特にエミリアのジュリオ・アルマーニは自分のワインを一番最初から意見をもらった重要な存在。アブルッツォのラミディア、そして同世代のラツィオ州セーテなどの共通の多い造り手たちと交流を深め、自身のワイン造りの糧としています。

濃厚なワインの多い南イタリアとプーリア。

Locoは単に伝統に逆らっているということではなく、この土地のテロワールで他の生産者とは違うワインを生み出す、自分が敬愛するフランス・ジュラのワインに負けない表現をしてやる!という探求心と挑戦と言えます。物腰が柔らかい穏やかな印象を受けたヴィットリオ。訪問した時に彼とは正反対なキャラクターでワインの師匠でもあるレストランEstのアニキたちと海の中で食事をしました。まるで海賊のような豪快なアニキたちもLocoのワインへ強い期待を語ってくれました。

地元の強烈な応援を受けてさらに進化を続けていくでしょう。

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チェーロ 空クリアボトル
Cielo 
Vino Bianco 白/750ml

青空のように晴れやかで爽やかな酸味と果実感

石灰を多量に含む赤粘土質土壌。ステンレスタンクで自然酵母による発酵&熟成。
マセラシオンは3日間。無清澄、無清澄、ノンフィルター。So2無添加。
青空をイメージしたラベルのカラー。

マレスコ100%

柑橘系が感じられる爽やかな香り。八朔、金柑、ミント、野性的なハーブの香り。
ほんのりと塩気を思わせるミネラル感。

Locoの白ワインの中では最もフレッシュな質感。果実と酸、ほのかなタンニンが口の中でバランスよく主張します。飲み心地は最高クラスなのに味の構成に立体感がある秀逸な味わい。

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ヴェルデ 緑クリアボトル
Verde 
Vino Bianco 白/750ml

まるで森の中に入り込んだようなヴェルデな香り

石灰を多量に含む赤粘土質土壌。ステンレスタンクで自然酵母による発酵&熟成。
1週間マセラシオン。無濾過、無清澄、ノンフィルター。So2無添加。

マレスコ、ミヌートロ、ヴェルデカ

蜜柑、アップルマンゴー、スパイス、香草、わずかにライチ、次第にジュニパーベリーのような香りが出て森を思わせるようなディープな雰囲気に変化。

最初は南国なのに後半は森になる不思議な香り。


熟れた果実を思わせる少しトロッとした豊潤な果実の質感。

その果実のベースの中に心地よい酸味と塩気、乳酸的なまろやかな旨味が柔らかく広がります。

理想的な自然な美味しさに満ちたワイン。

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ヴィオラ 紫ブラインドボトル
Viola 
Vino Rosso 赤/750ml

自然な優しさとクレーム・ド・カシスに包まれる

石灰を多く含む赤粘土質土壌。ステンレスタンクで発酵、グラスファイバータンクで熟成。

マセラシオンは3週間。無濾過、無清澄、ノンフィルター。So2無添加。

ボンビーノ・ネーロ、ネロ・ディ・トロイア、ボンビーノ・ビアンコ

ミントを感じさせる清涼感と紅茶を連想させる自然な雰囲気。

際立っているのはクレーム・ド・カシスのような甘い香り。

ボルドーを連想させる香りなのに自然な優しさと親しみやすさが合わさった異色の魅力を放ちます。
一見濃そうな外観ですが、ジューシーでありながら軽やかで砕けた飲み心地を実現させたナチュラルワインとして理想的な果実味。旨味と塩気を感じる格別の美味しさ。

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フッシア 桃ブラインドボトル
Fusia 
Vino Rosato ロゼ/750ml

ヴィットリオの感性が生んだプーリアの常識を覆すロザート

石灰を多く含む赤粘土質土壌。ステンレスタンクで発酵&熟成。
白葡萄のミヌートロは4日間マセラシオン。モンテプルチャーノはダイレクトプレス。

無濾過、無清澄、ノンフィルター。So2無添加。

モンテプルチャーノ、ミヌートロ

スモモ、ザクロ、アセロラ、ライチ、デリケートな果実の香り、ダシ感が溶け込んだ限りなく
優しく包まれるような雰囲気。

ギューッとした旨味と酸味が淡い果実感の中にしっかりと溶け込んでいます。
淡い甘味、塩味、旨味が非常に心地よい美味しさです。

 

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ロッソ 赤ブラインドボトル
Rosso 
Vino Rosato ロゼ/750ml

艶のある華やかな香りと旨味が凝縮した妖艶なロザート

石灰を多く含む赤粘土質土壌。ステンレスタンクで発酵&熟成。

6日間マセラシオン。
無濾過、無清澄、ノンフィルター。So2無添加

ネロ・ディ・トロイア、ボンビーノ・ビアンコ

イチジク、紅茶、ブルーベリー、昆布出し、木苺、桃、柿、サンザシなどが合わさった

妖艶な香り。

淡くエレガントな果実味。塩味と酸味がとにかく心地よく果実溶け込み口当たりが抜群。
充実感がありつつ優しいまろやかな余韻が持続します。

 

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リッラ 淡紫ブラインドボトル
Lilla 
Vino Rosato ロゼ/750ml

華やかで堂々とした香りを放つ最もエレガントなロザート

石灰を多く含む赤粘土質土壌。ステンレスタンクで発酵&熟成。

マレスコはダイレクトプレス。

樹齢が高いオタッヴィアネッロとミヌートロは6日間マセラシオン。
無濾過、無清澄、ノンフィルター。So2無添加。

マレスコ、オッタヴィア・ネッロ、ミヌートロ

オレンジリキュール、苺リキュール、ラベンダー、紅茶、マジョラムなどが溶け合った

エレガントで力強い香り。

ロコのロゼワインの中で最も口当たりが良いまとまりのある丸い質感。
共通する塩気と淡い果実の奥の甘みがありもっともエレガントな味わい。

 

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ブル 青ブラインドボトル
Blu 
Vino Rosso 赤/750ml

たっぷり濃密なボディを持つ黒葡萄を限りなくまろやかに滑らかに表現

石灰を多く含む赤粘土質土壌。ステンレスタンクで発酵&熟成。
12日間マセラシオン。無濾過、無清澄、ノンフィルター。So2無添加。
プリミティーヴォはボディ、モンテプルチャーノは酸を担っています。

カベルネ・フラン、プリミティーヴォ、モンテプルチャーノ

良く熟した甘く豊潤な果実香、スパイスの要素も良く溶け込んでいて、ブラックペッパーや

クローブの香りがベリーの香りを引き立てます。

まろやかな柔和な果実味。旨味と熟した果実の甘みがまろやかにエレガントに溶け込んでいます。

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