カラブリア州チロ・マリーナから革命的なガリオッポを生み出す"テヌータ・デル・コンテ初入荷!!新ワイナリー紹介第三弾!!
2018年 新着ワイナリー紹介最終回です!最後の生産者はカラブリア州の"テヌータ・デル・コンテ"です!今回の新着ワイナリーはどれも濃いメンツですが、その中でもテヌータ・デル・コンテのガリオッポは異彩を放っています。
トウガラシの名産地であり、僕の好きなイタリア人サッカー選手だった"ジェンナーロ・ガットゥーゾ"(現ACミラン監督)の生まれ故郷でもあるカラブリア州。みんな大好き"ンドゥイヤ"も魅力的ですね。コックの時に"ンドゥイヤ"を使って野菜のパスタを造ったら"ホイコーロー"みたいな味になって切なくなったのは良い思い出です…
カラブリア州はイタリア本島の最南端、州都カタンザーロはマテーラから南へ196km、ナポリから東南へ293km、パレルモから東北東へ約295km、首都ローマから東南へ約483kmの距離…どこからも遠いじゃないか…そんなわけでなかなか行く機会もなく、ワインも未知のエリアでした。
2年くらい前にとある生産者から噂を聞き、色々な巡り合わせで出会えましたが、チロ・ロッソを飲んで本当に驚きました。ガリオッポの個人的なイメージとしては比較的繊細でやや淡い質感になる品種だと思っていましたが、テヌータ・デル・コンテのロッソは非常に濃密…へヴィーではないのですがしっかりとした詰まり具合。何より独特の酸化熟成感がポジティブに味わいと香りに溶け込んでいてメチャクチャ美味しいのです。
上の写真の女性が醸造を行っている"マリアンジェラ"。父フランチェスコと共にワイナリーを運営しています。法学部を卒業した彼女ですが、ワインや葡萄が与える感動に魅せられました。また、カラブリアという土地のことを想った時に葡萄栽培、ワイン造りこそが土地を守る最良の選択だと気付いたそうです。カラブリアの生産者"a vita"のフランチェスコにワイン醸造を学び、父のワイナリーで醸造を行うようになったのです。a vitaとはまた少し違った彼女ならではの質感を表現しているところがとても興味深い。現在は彼女はフランチェスコと少数の生産者達で"Ciro Revolution”というグループを形成しているそうです。付近の生産者達がライバル意識だけに縛られずに地域のことを考えていくことはとても良いことだと個人的に思います。
一番最初に飲んだのがこのチロ・ロッソ(クラシコ・スーぺリオーレ)2014年
最初飲んだ時にアパッシメントしているのかな?と思うような独特の甘いアロマと果実味に驚きました。もしくはヴィンサント少し入れた?みたいな質感です。残糖感があるわけではないのですが、とにかくコクが強い。ガリオッポのイメージとはかけ離れていました。タンニンと酸味のバランスも良く、その干したような甘い旨味に一気に引き込まれました。めちゃくちゃ美味しいよ…とスタッフみんな感動!さらに抜栓後に放置しておくと、酸化熟成感とキノコ感が強くなり妖艶な雰囲気に…なんなんだこのワインは…マリアンジェラに質問を投げてみましたが、アパッシメントはしていない、収穫が10月下旬との事。このエリアでは早ければ8月には収穫してしまいます。一緒にテイスティングしたさるお方がおそらく異常に遅い収穫にワインの味わいの秘密があるのではないか、と言っておりました。おそらくとても大きな要因だと自分も思いました。
こちらはチロ・ロザート 。テヌータ・デル・コンテを教えてくれたイタリア人からは、このロザートが凄いんだよ!と教えてもらっていました。先にロッソを飲んで感動していたので期待値高かったのですが、予想の斜め上を行くさらに個性的なワインでした!まずその外観です、ロゼなのか?なんだったら長いマセラシオンしたフリウリのワインにも見えてきます汗)外観見てるだけでそわそわ…
開けたての香りのアタックは最初何これ??少し混乱しましたが、解析してくとサフランとミカンの香りが強いことが解りました。サフランの香りってワインで今まで感じたことがあっただろうか?とにかくまたまた驚き…飲んでみるとロゼらしからぬエキス爆弾。イタリア人情報に間違いはありませんでした!このロゼは面白いし美味しい!こちらもやはり酸化熟成感が存在し、香りと味わいにとても良く溶け込んでいます。
ガリオッポの写真。確かに房の上の方が熟れてテカテカしているのが良く解ります。 この超熟がワインの個性に表れるのかも。このまま食べてみたい…
ところどころレーズン手前感のあるシナシナ葡萄も見えます
カラブリアから届いた珠玉のチロ。皆様これからよろしくお願いします!
トレジャーの2018年新着は以上です!次回のブログでは既存の生産者達を訪問した記事を投稿します。
長文ご覧いただきありがとうございました!